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2010年11月09日

2010年度 成長日誌後記

振り返ってみると今年は、春先の低温と日照不足、
夏の延々と続く猛暑等で、農作物には荷酷な天候の推移でした。
もう2〜3℃気温が上がって37〜38℃以上の酷暑が続けば、
多分(ブドウを)仕上げることはできなかっただろうと思います。
葉の状態をみても、それほどに今年の暑さは
ブドウができるかどうかぎりぎりの限界線上にあったと実感しています。
農作物は、天候が順調に生育する範囲内でないと どんな技術力があっても無理です。
人間の力などは、自然の猛威のなかでは、無いに等しいー
このことが職人としての私のプライドを著しく傷つけ続けます。
近年、年ごとに予想もしない、経験したこともない天候に
見舞われることが急加速してきています。
ブドウの生産ができなくなるかも知れない天候異変への不安が、年々増大してきています。

落葉果樹の生育は、最低気温の推移が鍵を握っています。
生育のその時季折々に必要な最低温度を確保できないと
品質の低下を招いたり、最悪ならできなくなったりします。
温暖化ばかりが強調されていますが、寒暖の差の大きさが
近年の天候のもう一つの大きな特徴です。
安定生産と品質向上を目指すなら、加温設備を伴う施設栽培でないと
もはや無理ではないかと思います。

問題は生産コストが上昇して、この不況下を乗り切れるかどうかということです。
一昨年秋からの際立った不況は、消費の低迷を一気に加速させ
高単価の物が極端に売れなくなってきています。
売れないと市場価格は下がり続けます。販売価格が生産コストを下回り続けると
経営を維持できなくなるのは必至です。
不況のしわ寄せは中小零細企業とか農業などの第一次産業の弱いところに集中してきます。
農機、農業資材・燃料等の高値は市場価格からすると暴力的です。
生産コストを下げようとすると、原始農業にでも帰らない限り無理、
そこが大きな壁となってきます。

米価も予想通り、所得補償政策が引き金となって、過激に下がっています。
米作に必要な農機だけをみても、米価からすると天文学的な値段で、
もはや米作経営は不可能という所まで来ていると思います。
総じて、日本の農業は経営難に陥っています。
天候不順、販売不安、TPP等自由化への不安、獣害等々まさに四面楚歌の末期的状況です。

2010年09月15日

試食キャンペーン開催!

瀬戸ジャイアンツも完熟期に入り始めています。

緑から黄へ、黄が透けるように白っぽく薄らいでくると完熟期です。
さらに房の肩口辺りに赤味が差してくると過熟期になります。

akashi_photo1.jpg

熟成の色変化も以上の四段階はあります。9月に入って瀬戸ジャイアンツの出荷を始めたのですが、今年は最初から糖度20°前後での出荷となってます。糖度的には今までで最高です!

akashi_photo2.jpg

この味と食感を少しでも多くの人に伝えたいという思いから、
試食キャンペーンの一環として、800g前後1房1,500円(税込・送料別)で出す事を決めました。但し、数に限りがありますので、先着50名様、御申込者、御本人に1房限りとさせていただきます。


本年度最高の状態に入った瀬戸ジャイアンツをご賞味下さい。
尚、食後の感想等メールにて送っていただければ幸いです。

2010年08月24日

【天山】2年生にしては…

昨年春植えた天山(てんざん)。2年生にしてはよくここまで出来たと思っています。

天山


粒の大きさは20〜25g。糖度は15度前後。
3年後、樹が成木化した時の目標が、粒の大きさ50g、糖度17〜18°なので、無論これで満足はしていません!

天山は難しい品種とされていて、何が難しいのかずっと疑問に思いながら成育状況を見守ってきました。熟期に入って分かったのですが、軸の付け根から亀裂が走り裂果してくるのです。ひどい房だと全粒が裂果してしまっていました。

裂課


この品種には裂果という難題がある、ということが分かりました。
克服できるかどうか、またひとつ長い年月を要する課題を背負いました。

【瀬戸ジャイアンツ】あと少しで出荷開始!

瀬戸ジャイアンツ。もうじき出荷


10年に一度(?)という猛暑の中で、瀬戸ジャイアンツもどうにか仕上がってきています。樹によってばらつきもありますが、園全体で平均すると糖度は16〜17度、というところです。

一週間後の9月1日から出荷を始める予定です。
糖度的にはOKでも、果肉の締まりに多少時間を要するということです。

今年の猛暑は、
「出来損なうかも知れない」
という危機感を持ってしまうほど、限界点近くに在り続けています。
天候を人の力で変えられない以上、そのなかで品質を高くしようとすればするほど、生産者はギリギリの所で悪戦苦闘を強いられます。

猛暑をくぐり抜けて出荷となる瀬戸ジャイアンツ、良くも悪くも私にとってはギリギリまで闘った結果、証だと思っています。

2010年08月05日

瀬戸ジャイアンツの予約販売を開始しました

瀬戸ジャイアンツ予約開始


ピオーネの試食キャンペーンにご応募いただいた方に御礼申し上げます
ご好評の内に全て出荷させていただく事が出来ました。
ご試食いただきました方には、是非ご感想をいただければと存じます。

さて、いよいよ瀬戸ジャイアンツのご注文を受け付け開始することになりました。
例年より10日程遅れておりますので、出荷は9月に入ってからになりそうです。

尚、瀬戸ジャイアンツをご予約いただいた先着50名様に、来年度から本格化してきそうな『ハイベリー』をお一人様につき一房、ご試食品としてお送りします。
瀬戸ジャイアンツとは収穫時期が異なりますので、別途発送となります(送料は当園が負担いたします)。

その粒の大きさが20gになる事を想像しながら、ご試食して下されば幸いです。
また、是非瀬戸ジャイアンツと併せて、ご感想をいただければと存じます。

瀬戸ジャイアンツのご予約はコチラから

【瀬戸ジャイアンツ】暑い日にはぶどうの葉が悲鳴を上げる

連日35度を超える猛暑で、強い日差しを避けるように、瀬戸ジャイアンツの葉も丸まって小さくなっています。

昼間と比べると夕方は幾分開いているようです。

猛暑日!昼前

猛暑日!夕方


この葉が黄葉したりすると、品質目標は実現不可能となります。私以上に葉の方も必死です。乗り切ってたどり着けるのかな…。
あまりの暑さに向こう岸が嫌に遠く見えてしまいます。葉が「もう限界だよ」と悲鳴を上げ始めています。

2010年07月23日

まもなく、熟成ピオーネ出荷です!

梅雨明け一週間、焼けつくような日差しのなかで、ピオーネがやっと出荷基準に達しようとしています。現在糖度的には16°を越え始め、4〜5日すれば当園の出荷基準17°に達すると思われます。伊豆錦、ゴルビーは粒が更に大きいだけに、糖度的にもまだ10日程度の時間が必要です。3月の新芽から始まったブドウの成長日誌も来週ピオーネからいよいよ出荷という運びになりました。

P1010244.JPG

2010年07月12日

美味しいぶどうと厄介もの

今年の天候の推移はぶどうにとってなんとも厄介です。
どうにかここまでたどり着きましたが、このまま雨天が続けばどうなることやら。
何時から出荷されますかと聞かれも、返答に窮してます。
梅雨に入ってから夜温が一気に上がったため、着色が遅々となってます。
ピオーネ、伊豆錦、ハイベリーの黒系3品種は遅々とでも着色が進んでますが、ゴルビーの着色はこの夜温では無理です。赤くなくてもスゴい味のゴルビーで行く積りです。

photos01.jpg
photos02.jpg

伊豆錦、ゴルビー、ピオーネは現在、糖度14〜15°くらいです。
粒の大きさはピオーネが20g前後、伊豆錦、ゴルビーが20gを越えているように見えます。数字では実感できにくいので500円玉粒の大きさをを比べられるよう写真撮りしました。

2010年06月29日

新品種・天山ぶどうです

天山ぶどう 

超がつくほど巨大粒のぶどう 天山 育成中です。
二年生ですが早く果実をみたくて 一本の木に3〜4房結実させています。二年生でこれほどの房形になるとは、予想外で驚いています。大粒ぶどうを更に大きく作るのが大好きな私にとって、 集大成的な品種になり得るかどうかは、答えは3〜4年先になります。
30g〜35gの粒の大きさは当園ではそれほど珍しくはなく、
天山では粒の大きさ50gを目指しています。3〜4年後樹が成木
したとき、50gは可能だと思っています。問題は50gの粒に
17〜18の糖度を乗せられるか ということです。おいしくなけ
れば何の意味も無くなってしまいます。新しい品種で新たな課題に
取り組むのは、私にとって仕事以上の道楽なのかも知れません。
 

2010年06月20日

袋掛け終了&予約販売開始しました!

伊豆錦、ゴルビー、ピオーネは既に袋掛けが終わっています。
(瀬戸ジャイアンツの現況はコチラ
(ハイベリーの現況はコチラ

袋掛け
※袋は特大(22cm×32cm)です。

白い大きな花が咲いたように見えます。
また、ぶどうが見えなくなるので、少し物足りなくもあります。

伊豆錦、ピオーネは6月半ばより着色が始まっています。
ゴルビーの着色には20度前後の夜温は高すぎます。粒の大きさは現在、いずれも15g前後というところです。

色づいてきました


また、収穫時期まで約一カ月となり、今年も皆様に美味しく召し上がっていただけるブドウをお届けできると考え、サイトにて予約販売を開始しました。是非ご利用ください。

ハイベリーの摘粒は少し厄介なのです

ハイベリーは私が一人で摘粒、房作りをやっています。

粒が八方に開くので、その分房作りが厄介になります。私で1時間に15房がやっと、です。
他の品種の房作りに慣れた作業員でもハイベリーだと(今年初めてやってみてもらったのですが)1時間に3〜4房、というところ。。。

基本的には房作りは同じなのだけど、教え方が難しい。
自分がやって、やったことの結果を確かめる…このサイクルの繰り返しで覚える他ない、という職人の領域です。

ハイベリー摘粒後
arrow.jpg
ハイベリー摘粒後

2010年06月09日

あの『瀬戸ジャイアンツ』より手間がかかる!ハイベリーの摘粒作業

2010年6月ハイベリー


摘粒の時期ですが、手が回らず放置されています。
ハイベリーの摘粒は瀬戸ジャイアンツ以上に大変です。
両方とも岡山の花澤先生の作品ですが、

「もっと房作りし易い品種を作ってよ!」

と岡山に向かって言いたくなるほどです。
今年も私が一人で房作りをすることになりそう。。。

圧巻!“藤棚”ならぬ“瀬戸ジャイアンツ棚”

2010年6月瀬戸ジャイアンツ


『藤棚』ならぬ『瀬戸ジャイアンツ棚』です。

春先からの低温で花穂の成育不良や痛みもありますが、元気な樹はしっかり結実させています。
6月半ばから摘粒、房作りになりそうです。

2010年06月07日

「これからもっと大きくなります」摘粒後約10日後のぶどうの様子

ぶどうがびっしり!


ゴルビー、伊豆錦、ピオーネの順で摘粒房作りをしてきましたが、摘粒後10〜15日で、粒間がかなり塞がってきています。
1ヶ月前の写真と比較してみました。


【5月4日撮影】
着果状況
arrow.jpg
【6月7日撮影】
粒の重さが10gを超えてきています


粒の大きさは10gを超え始めました。

これで最終チェックをして袋掛けとなります。
加温もそろそろ終了となります。これから先の仕上げはお天気におまかせ!…ということになります。

2010年05月20日

いよいよ摘粒・房作り!この作業は本当に大変なのです

2回目のジベレリン処理も終わり、すっかりブドウの房らしくなっています。

いよいよブドウ作りの最大の難所、摘粒・房作りです。
一粒一粒ハサミで摘み落としながら、房形を作っていきます。
「一番大変!」摘粒作業

『房の中に粒を閉じ込めない』
『粒と粒がひしめき合ってつぶし合わないようにする』


等々を念頭に入れての作業となります。
現在、粒の大きさは5〜6gですが、出来上がりは現状の4倍くらいの大きさになると思います。それを想定しての作業です。

当園のベテラン作業員で1時間あたり12〜13房できるかどうか…というような本当に大変な作業です。後日また報告する予定ですが、瀬戸ジャイアンツだと摘粒には、今回のピオーネや伊豆錦のほぼ倍の時間が必要となります。

現在、明石園芸の作業員は、私以外に女性ばかり5人です。当園でどれくらいの生産量が可能なのかは、結局、この5人で摘粒・房作りが1日何房出来るのか、ということにかかっています。

摘粒前後の房形の比較写真を掲載します。

ゴルビー摘粒前
arrow.jpg
ゴルビー摘粒後


伊豆錦摘粒前
arrow.jpg
伊豆錦摘粒後


ピオーネ摘粒前
arrow.jpg
ピオーネ摘粒後

【ぶどう成育用語解説】ジベレリン処理

ジベレリン処理

【ジベレリン処理について】
ジベレリンとは植物の成長調整剤で、ブドウでは種無し処理と果実肥大に、2回使用します。
品種によって多少使用濃度は異なりますが、当園では
1回目種無し処理には、12.5PPM(100万分の12.5)
2回目果実肥大には、25PPM(100万分の25)
という濃度で使用しています。

2010年05月04日

着果状況報告

ジベレリン処理1週間後の着果状況です。ほぼ完璧に着果させていますが、後々の房づくり、摘粒を思うと「ここまで着果させなくとも…」と、つい思ってしまいます。程良い着果のジベレリン処理法を見出そうとしては、ことごとく失敗し続け、断念したはずなのに…。

着果状況


摘粒、房づくりの手間がそれほど重くのしかかって来る、という事なのです。

ブドウの明石園芸: 【ぶどう成育用語解説】ジベレリン処理

2010年04月29日

ぶどうの花を見た事がありますか?

日照不足と低温で、予定より1週間程度遅れて、花が全開になり始めました。

ぶどうの花(ピオーネ)


これが花だと言われなければ見過ごしてしまうほど、ぶどうの花は貧弱です。房の先まで咲ききるのを待って、ジベレリン処理となりますが、「一斉に」とは行かず、同じ園内でも完了するのに10日程度要するのが通常です。

【ジベレリン処理って?】
ジベレリン処理


写真のように『ジベカップ』を持って、毎日園内を周ります。ひたすら根仕事(根気のいる仕事)です。確実に着果させないとここで終わってしまう…その意味では前半のクライマックスと言える工程です。

2010年04月15日

明石園芸のぶどう、順調に育ってます!ー誘引、花穂の整形

悪天候続きですが、加湿ハウスでは順調に成育しています。
展葉10枚頃で、『誘引』、『花穂の整形』という作業に入ります。

『誘引』は上に伸びた枝を針金に留める作業です。
誘引前
arrow.jpg
誘引後


『花穂の整形』は、先端部12車(くるま)前後残して、他の部分をハサミで切り落とします。
残す車数は品種によって多少違います。写真の伊豆錦は昨年、大房すぎたため、今年は3車ほど小さくします。
整形前
arrow.jpg
整形後

2010年03月26日

雨が多いですね

.


いやに雨が多く、日照不足です。暖冬で展開が早まりそうだったのが、日照不足で帳消しにされています。

ここ加温一番手のハウスでは、伊豆錦、ゴルビーが展葉5枚前後で先に花穂もしっかり着いています。気温の変動が激しくなる一方という近年の天候では、品質の高いぶどうを作るために、加温設備がもはや不可欠となってきています。

良い物を作るためには手間も経費もかける。その分高く売らなければ、赤字になってしまう。しかし、この不況下、売れるのかな?

瀬戸ジャイアンツ
瀬戸ジャイアンツ

ピオーネ
ピオーネ

伊豆錦
伊豆錦

ハイベリー
ハイベリー