世話になったお礼に是非にと、先日友人が寿司屋に連れてってくれたのですが、名の通った高級寿司店で恐縮もしたのですが、出された寿司にはこれほどの店でもそうなのかと改めて驚きました。寿司は小さく、ネタも上質とはいえず加えて少なく、これなら回転寿司へ行った方が良いと思えるほどで、友人も随分久々であったらしく、「こんな店ではなかったのだけど、」としょげているので、「仕方が無いよ、生き残るためにそうするしかなかったんだよ。」と妙な慰め方をしてしまいました。
しかし、生き残るために、職人としてのプライドや高級寿司店というスタイルを捨てたらどうなんだろう、存在意義が何処にあるのだろう、挙句これなら回転寿司のほうが良いと思われたらお終いではないか、と私の頭の中で思いが巡り続けます。
安くなければ売れないという世相が何時まで続くのかは分かりませんが、質の高さを追い求める様々な分野の職人さんには厳しい時代となっています。というより、時代が職人やその技術を消し去ろうとしているかのようです。これが進めば日本の文化や伝統も崩壊するということに直結しているのは疑う余地はありません。
折角の友人の好意も不本意な結果になり、気持ちは存分に受け取っているのだけど何だか気の毒で、ブドウが終わればまた一緒に釣りに行くことにしています。