日々各園地を回って成長具合や異常の有無を点検しますが、順調に育っているブドウたちを見ると、心が通う同志達と共にいるような、底の方が熱くなる一体感を覚えます。
ブドウがご主人様で私が召使、寒くは無いか、暑くはないか、水がほしいか、体調はどうだ、毎日そんな風に接しながら、共により高くを目指しているのです。
私は物作り、ブドウ作りという一点で自分が充実していれば、他の事々は少々どうだっていいのです。
何時の日か、自分で食べて涙が出るほどの一粒、一房のブドウを作れたらという、秘かな想いが頭のどこかを掠めたりします。
私にとって最大のお客さんは私自身なのかもしれません。