7月20日からピオーネを出荷しますとブログに載せたら、その20日の日に台風6号が襲来、なんともすごいタイミングで、妙な言い方ですが、私と天気の愛性の悪さは半端ではないです。
幸い多少の傷みは出たものの、ブドウはどうにか無事でやれやれです。
今年の天気の推移は農作物には昨年より更に厳しいです。私のブドウも加温の施設栽培でなかったら出荷までたどり着けたかどうか、無事ではなかったと思います。事実、5箇所の園地でブドウを作っていますが、無加温のハイベリー、トンネル栽培の瀬戸ジャイアンツは、開花期に雨ばかりで、灰カビ病が多発して収量は半減する見込みです。これがお天気任せの露地栽培だと、今年は全国的に非常に厳しいだろうことが容易に窺えます。
落葉果樹の生育は日々の最低気温の推移が鍵を握っています。温暖化ばかりが強調されますが、冬と夏が日替わりで来るような日々の寒暖の差の激しさが厄介なのです。生育その時々に必要な最低温度を確保できないと、生育不全とか最悪は枯死とか不作域にどんどん入ります。
生産現場の実感からすると、気候変動はここ数年急加速してきているようです。いずれ作れなくなるかもしれないと3,4年前までは思っていましたが、最近は今年作りきれるだろうか天気への不安がまずあります。1年1年が天気的に、何があるかわからない、未知なる不安な1年であり、過去のデータがまったく通用しなくなってきています。
昨年、今年と、私のブドウ作りも、さながらお天気との格闘という様相が色濃くなってきています。加温設備を伴う施設栽培は、もはや私のブドウ作りには最低条件です。そうでないと、お天気と格闘することも敵わないからです。
地球規模での海流や海水温の変化、偏西風の位置変化等、異常気象というより気候変動というほうが正しい見方だと思います。お天気に恵まれ、自然の恩恵での大豊作という時代は過去形になりつつあると感じています。
これからは少々の悪天候でも作りきる、意志と知恵、創意工夫の時代に入っていきそうです。