瀬戸ジャイアンツの袋掛けも終わり今年のブドウ作りも一段落、時間との競争からも解放されてやれやれです。毎年のことながら6月は末に近づくほど目が血走ってくるほどに忙しいです。摘粒房づくりはブドウ作り最大の難所で、粒の肥大が進み過ぎると房ががちがちに固まって作業が困難になるため、そうなる前にこの工程を終えるようひたすら時間との競争となります。
今年は2月3月の春先から気温が高く、毛虫や蛾など害虫の発生が早くしかも大量で、厄介な年となっています。最後の瀬戸ジャイアンツの摘粒が例年に比べて遅れた訳ではないのですが、今年は夜蛾の出現が早くその食害にあってやたら腐った粒が目立ち、その分余計に焦らされました。
今年は確かブドウ作り32年目のはずですが、毎年同じ時期に同じことをしているようでありながら、1年1年は微妙にどこか違っていて、新たな年の1作は未知な領域に置かれ続けます。私はブドウ作りのことを言ってるのですが、それとても常に今を生きることに何の変りもなく、32年目は32作目32回目の未知なる本年度作ということです。過去となった31年間の経験の積み重ねそれに基づく知識は得ているにしても、何があるか分からないという意味で、今取り組んでいる1作は常に未知の領域に置かれています。
今年の夏は太平洋高気圧の張り出しが強く、加えてチベット高気圧と2つの高気圧に覆われるため、8月9月は猛暑続きとの予報が出されていますが、35度ではなく40度を越えるような気温が至る所で頻発するような何か嫌な予感がします。丁度10年前に37〜38度が10日ほど続いたような記憶がありますが、温暖化はその後更に進んでいるし、そろそろそんな熱波ゾーンも十分あり得るのだろうと思っています。
毎年6月頃になるとブドウの記事を開く読者が多くなることは良く分かっています。梅雨が明けて日照が戻ってくるのが何時頃になるかということはありますが、今年も例年通り7月20頃からピオーネから順次出荷できるだろうとは思っています。とりあえずお知らせしときます。