昨年韓国で「反日種族主義」がベストセラーになったとの報道がありましたが、その続編が今年出されてそれもベストセラーになったとか、正直驚き続けています。2013年に出された「帝国の慰安婦」の著者朴裕河氏(世宗大学教授)は名誉棄損の罪で在宅起訴され、出版は事実上差し止められたそうで、韓国はそういう国なのだろうと思っていたからです。私は日本語訳書も読んではいませんが、ネット上の見出しをつまみ食い的に見ると、慰安婦問題、徴用工問題、竹島問題等、韓国人が激しく主張するような事実はなかったと述べられています。少し前ならこれを書いた教授たちは社会的に抹殺されるはずですが、何とそれを読んだ52%の人達が最高評価の「5」を、42%が「1」の最低評価だったそうです。元ソウル大学の李教授は現政権が露骨な反日政策を取るのを見るに見かねて、この本を編集し出版しなければならないと決意するようになったと述べていますが、反日感情ででっち上げられた日本支配の定説を事実に基づいて悉く覆したようです。嘘を正してより正しい認識を持たないと本当の意味で未来が開けないことをよく分かっていたのだと思いますが、氏は韓国社会が成熟してきて若い世代から、より広い視野で国際的な感覚を持って歴史を理解し隣国を理解しようとする現象が広がってきていると述べていますが、そう簡単に韓国が変わるはずがないと思いながらも、一筋の光が差したような感があるのも確かです。
韓国に差す一筋の光が、日本は何時になったら先の大戦ときちんと正対するのだろうとの思いを強めます。戦後日本は米国の統治下に置かれ、徹底的に米国目線、米国流価値観を押し付けられて、旧日本軍に繋がるもろもろは悪しきものとして悉く断ち切られたようです。憲法9条は占領政策の最たるもので、日本は兵も武器も持たず交戦権も放棄して、暫く丸裸でおとなしくさせておけということであったのは明らかです。戦争に敗れて米国の占領統治政策だから抗うことはしませんが、米国の敵だった日本軍は日本人の敵の悪しきものであるかのように次第に洗脳されていったのだと思います。
私は昭和24年生まれだから戦争を知らないまさに戦後っ子ですが、太平洋戦争や日本軍についての歴史教科書の記述は、なるべく触れないでおこう的な素っ気ないものだったと記憶しています。忌まわしい過去、悪しきものとしてご先祖様に蓋をするようにして、日本人は日本人としての魂を失くしていったのだと思っています。心を失くした日本人は米国に従属してただひたすら生活のために働いて、経済大国になったりもしたのですが、戦後ずっと未だに米国の顔色を窺い続けて独立国の体をなしていません。この国の政治は国民の意向より米国政府の意向を重要視するのかとあきれ果てることが多々ありましたが、各国首脳クラスの国際会議で米国の主張に賛同する時の首脳は、米国が発言する前から賛同しているようなもので、それが未だに続いているのだから見ていて恥ずかしいし、やはり属国なのだと思ってしまいます。
憲法を改正して独立国になろうよと言うと、右翼を見るような目で「戦争をする国になるんだ」と仰る。それほど日本人は主体性なしの米国依存症なのかと思ってしまいますが、残念ながら米国はとっくに安全保障同盟国との関係より自国の都合優先国に変わっています。トランプ大統領だと同盟関係も金次第ということで、そろそろ良い潮時になってきているようです。
昔今の国連が国際連盟だった時、外交官牧野伸顕が国際連盟で白人至上主義の人種差別撤廃の演説をしたそうです。そんな立派なご先祖様たちに全国民一緒に墓参りでもしたらどうなんだと思います。一部とは言え韓国の人達が日本人以上にご先祖様を評価したら、日本の自国歴史認識は今度は本当に笑いものになるくらいでは済まなくなります。