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2019年10月28日

私流(ブドウ編)

私が就農したのは38歳の時ですが、施設栽培で種無しピオーネを作るにあたって、一つ私が心に決めていたことは、作る前から書物などで雑多な知識を詰め込まないということです。実は私の父も、あいつは頭で勝負するタイプだから本など読んで知識先行で理屈ばかり言うのではと懸念していたようですが、私は現場主義というか未経験な領域では先ず白紙状態で経験を積み上げることを優先します。
農家の息子とはいえたまに手伝うことはあっても、主体で作るという意味では農業経験はゼロで、ブドウを作るにあたって手元にあるのは、生産工程及び防除暦を箇条書きに記したA3用紙一枚のマニュアルと父の通り一辺倒な大雑把な知識だけです。ここからブドウ作りをどう展開したかは、以前ブログに記したこともありますが、自分の感性主体のひたすら体験学習です。
毎日園内の最低最高気温とか天気状況を分厚い一冊のノートに記録し、ブドウの生育状況と作業状況をもう一冊のノートに記録しながら、ともかくブドウの状態の変化をひたすら見続けます。特に私が注目し続けたのは葉の状態です。活力の高い樹を作りより高品質な果実を得るには葉と根こそがその源であるはずだから、目に見える葉の状態を目を凝らして見続けます。それは何年も何年も続くと、朝園地に入るとむき出しの腕の毛穴がざわつくような皮膚感覚があって、微妙な変化を目より早く感知していることもあるほどでした。乳幼児とか動物の一瞬で敵味方を見抜くあの直観力をどこかで思い描いていたのかもしれません。感性を研ぎ澄まして真理に迫れ、その思いは私の中では何事に対しても基本となっているのかもしれません。
天気状況と生育及び作業状況を2冊のノートに記録し続けていくと、2年や3年では分析対象となるようなデーターにはなりませんが、5年以上になるとそれなりのデーターとなり、現在では30年以上となって分厚いノートもそろそろ6冊目になりそうです。私はこのデーターを分析して、ブドウの生育状況と温度との関係とか潅水のタイミングとか、すべてを自分の経験値記録値から割り出します。
ブドウに関する著作を読まないようにしていましたが、病気や害虫とか農薬の専門書とかは別で、最初から手元において事あるたびにその正体を調べていました。ブドウに取り組んで20年が経ったころ、ブドウに関するどんな著作を読んでも構わないと、初めて自分に許可を出しました。20年もデーターを取り続けてそれを分析し続けると、ブドウの生理構造を基本的に的確に把握できていたと思うし、唯一のたたき台としていたマニュアルの不備もことに加温栽培での設定温度のでたらめさなど、早々に見抜けていました。またブドウの大産地の常識常道が、作り手の都合でブドウの健全な生育を捻じ曲げているところがあるようだとも早くから思っていました。
20年後に読書を解禁してブドウの作り方的な本を何冊か読んでみましたが、正直そこから得られるようなものはあまりなさそうでした。書かれていることが正しいか否かは自分の把握していることから即座に判断できるし、学説と現場のズレみたいなところが本には多々あって、その後その類の本は二度と読みません。
始める前に雑多な知識を詰め込まないで、何も持たずに現場へ出て、そこで体験学習を通じて生きた知識を積み上げることを基本とするのが私の流儀です。始める前に雑多な知識を詰め込むと、却って真相が見えにくくなり右往左往迷走して、自分を確立するのが遅れるのだと思っています。
ブドウ作り30年余りに渡って積み上げたものが、ブドウに関する全ての著作を上回るほどにブドウの全てを把握しているかと言えば、それはないです。30年を越えてでも新しい発見は次々とあるし、どこまで行っても完璧など到達し得ないのだろうと思っています。自分が相応に確立されているなら、自分以外の他者の視点に触れて新たな発見発想を得ることもあるだろうし、ブドウ以外更には農業以外のところでもブドウに関する新たな発見発想を得られることもあるはずだと思っています。
posted by 明石 at 18:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 園主の独り言
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