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2019年04月24日

一瞬が一生に

夜10時頃だっただろうか、部屋のドアがノックされて「すみません!」と女の人の声。ドアを開けると少女っぽく見える女の子が立っていて、「私カギを忘れてきて部屋に入れないんです。泊めてもらえないでしょうか。」と困り果てた顔で言う。同じアパートの二つ隣の部屋だというのですが、私は会ったことも見たこともありません。切羽詰まった彼女の気迫に押されとりあえず部屋に入ってもらったのですが、まさか4畳あるかどうかの狭い部屋で見ず知らずの若い娘と朝まで一緒に過ごせるはずもなく、「俺、友達のところへ行くから朝までこの部屋使ってくれたらいいよ。」と咄嗟に決断しました。部屋に入ってから彼女の表情は固く押し黙ったまま、頷くだけで一言もありませんでしたが、お茶とか必要なことを伝えて私はバタバタ部屋を後にしました。道中、「何なんだこれは?これじゃあ俺が夜逃げしているみたいだ!」と愚痴りたくなるほど奇妙な展開です。
翌日部屋に帰った時にもちろん彼女は部屋にはいませんでした。その後も彼女の音沙汰は皆無で、お礼の一言くらいあってしかるべきなのではとちらっと思いが掠めたりもしましたが、そんなことに頓着しないのが私の流儀です。結局その後二度と彼女を見ることも会うこともありませんでしたが、一体何だったのだあれはと、何かに化かされたような不思議さだけが残りました。
私は想像力を働かせて事件事象の核心に迫るのが遊び心的にも好きで、好奇心が刺激されれば気づけば対象の回りをあらゆる角度から覗こうとぐるぐる回っていたりします。今回のことも本当言えば最初に直感はあったのですが、一晩部屋を提供してお礼の一言もないということで、それはある程度は裏付けられたようです。
多分彼女は余程思い詰めた行動であったようで、であるが故に時間とともに冷静さを取りもどしたときに、恥ずかしさに包まれたのではと推測したりします。はたまた女心を全く理解しない私に腹を立てたのかとおもったりもしますが、私の方からすると見たことも会ったこともないのにそんな無茶苦茶な話はないということになります。私は自由人志向で常識的や良識的な枠外に自分の立ち位置を探し続けますが、自分の心や欲望の在り様を拠点としているのだと思っています。つまり、心とか欲望とかが、反応して動かないと、何も始まらないということです。
事故のように突発的な出来事でしたが、半世紀近く隔たった今も、あれは本当は何だったのかとふと思ったりします。彼女と一緒に居たのは10分あるかどうかのはずですが、いまだに私の記憶の中に存在し続けています。瞬間的な出会い、ごく短時間の交わりを書き綴っていますが、例え10分程の出来事だったとしても、半世紀も生き続けるなら、他者との出会い触れ合いは感受性次第で無限に広がっていく可能性があるのだと思います。
posted by 明石 at 20:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 園主の独り言
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