軽トラックで園地を移動していると、イノシシと衝突しそうになることが最近やたらと増えてきています。生後3カ月ほどのイノシシ小僧の群れが至る所終日走り回っていて、数の増え方が半端ではないようです。
罠を仕掛けている猟師に尋ねると年間60頭ほど捕獲するとのことで、一人で60なら3〜4人の猟師があちこちに罠を仕掛けているのだから、どんなに少なくてもこのエリアで年間100頭は捕獲されているはずだのに、年々増える一方というのはこの50ヘクタールほどのエリアにどれほどの数が居るのか見当がつきません。
今年は親イノシシがハウスに侵入してブドウを食い荒らすということは無かったですが、どのハウスもサイドのビニールはズタズタに破られて、何とか入ろうとする執念をまざまざ示しています。ハウスの周囲を地際から20センチ以内の間隔で150センチほどの高さまでパイプを張り巡らせば、親イノシシの侵入は防げますが、イノシシ小僧とアライグマはその間隔では素通りです。
アライグマの食害は年毎に激しくなるばかりで、今年はピオーネだけでも400房は食われています。イノシシよりはアライグマの方が厄介な難敵です。一か月ほど前から瀬戸ジャイアンツのハウス2か所に、地際から10センチ、20センチ2段に鋼線をぐるりと張って、夜間100ボルトを流しています。電線を伝ってでも侵入するといわれる輩をどこまで止められるかの実験ですが、ほぼ一月は思う以上に効果があって目立った食害は無かったのですが、今週になって侵入と食害が日々目立つようになってきて、アライグマが本気になればやはりその程度のことでは防げないようです。
昨年から金峰みかんの再生に取り組んでいますが、ここも侵入防止柵をしないと一昨年のようにイノシシに全滅させられます。昨年はカブサイシンをまぶしたセーフティネットでイノシシの侵入を防げたのですが、今年は通用しそうもありません。
山間地域の農業は農地全域に獣防止柵を張り巡らさないと、獣共の食害で作物が全滅するのは、今や全国共通の難題です。獣害防止策等施設整備に費用がかかり過ぎて、作物販売額を上回ったりすると、それでは農業は到底無理ということになり、これが放棄地廃棄地が全国で増え続ける大きな一つの要因となります。
以前にも記しましたが、動物たちの側から見ると、人間の方が追い詰められて檻の中に入って行ってるように見えるのではないかと思ったりします。