農研機構果樹研究所において「安芸津20号」に「安芸クイーン」を交配して誕生した品種で、「クイーンニーナ」は「安芸津27号」の「27」と「安芸クイーン」の「クイーン」を合わせて命名されたようです。
一般の苗木屋さんが苗木を販売できるようになってまだ4年目の新品種ですが、当園では昨年2年生の木に無理に結実させ試食してみて、いささかショックを受けるほど私好みのブドウであることが分かりました。
皮ごと食べる品種ではないのですが、果肉の質感が高く、皮ごと噛んで食べてもそれほど皮が邪魔にならないようだし、完熟させれば皮も十分美味しいです。甘味でも酸味でもないどこかレトロなコクが旨味に加味されていて、詩情を呼び覚ますような味わいがあります。粒の大きさもこの写真の実物で20gに届いているし、あとは房形が整えば来年度には商品化できそうです。
次々と優れた新品種を生み出してくれる品種改良の方々には心から感謝しています。
私の仕事はその品種を生産の現場でどこまで進化させられるか、品種の可能性を限界まで作りきることです。その品種を生み出された方々に、ここまで作れますよと目を見張らせることが、作り手としての感謝の表現になるのだと常々思っています。