ジベ処理の真っ最中、10日間天気予報を見ると傘マークがびっしり、これだと梅雨入りになるのかなと思っていたら、5月15日に九州四国地方は梅雨入りと気象庁が発表、まさかこんな早い梅雨入りも本当にあるのかと唖然としますが、既知の気象環境はとっくに壊れてしまって未知の領域に入っているのだから、未経験な気象状況に遭遇するのは当たり前となってきています。確か「梅雨の来ない6月」をブログに記したことが記憶にありますが、調べてみると2019年6月22日付で、それほどに年毎に気象状況が違うと幾らデーターを積み重ねても予報には役立たず、まさにそれこそ変動の渦中にある証拠なのかと思ってしまいます。
農業はお天気との格闘です。近年その様相が年毎に色濃くなって来ていて、不作のレッドゾーンに入るような気象状況に何時直面するのだろうかとの不安が、何時もどこか片隅で目を見開いています。市場関係者が口を揃えるのは、ここ5年ほど農産物の品質の低下が著しいということですが、最大の原因は夏の猛暑がより高温により長い期間にと、次第にレッドゾーンに近づいているためだと思っています。
10年程前、ブログにも記していますが、38度が頻発するような猛暑が2週間ほど続きましたが、それが限界ぎりぎりなのはブドウの葉の状態で分かりました。後2度でも気温が上がれば持たないだろうことを痛感して、その時から40度以上はレッドゾーンとして私に刻み込まれていますが、近年の気象状況からしてそれは何時でも起こり得ると思っています。最高気温が40度を越える日が1週間以上続けば、農作物は多分壊滅状態になるのではないかと思っていますが、毎年全国の何処かで40度越えを観測するようになっているお天気状況からして、更に温暖化が加速していることを加味すれば、レッドゾーン突入は何時だってあり得ると考える方が合理的です。
例えば今年、経験したことがない程早い梅雨入りで、延々と梅雨が続くととも思えませんが、猛暑の早い到来と期間が2か月以上でそれに干ばつでも加われば、40度越えしなくてもレッドゾーンとなります。私だけではなく農業で生産の現場に居る者は皆、程度の差はあってもとんでもない天気への不安は生産不能の危機感として募ってきているはずです。自分の仕事だからどんな悪天候でも何とか切り抜けようと精一杯頑張りますが、お天気に翻弄されて自分の無力さを知るばかりというのが農業の辛く情けないところです。
農業、林業、漁業の第一次産業は常に自然の中だから、温暖化気候変動の最前線です。何時かではなくとっくにその渦中にあって、生産不能の危機感は次第に切迫感を伴うようになってきています。その目で日本という国を振り向くとあまりの危機感の無さに呆れるばかりです。