自分でも意外なことにカラオケ通いがまだ続いています。年間を通して週一回ペースですが、2週間も行かないとストレスが溜るみたいで、歌い始めるとやたら大声を出したがる自分に気付きます。涸れて出なくなるまで大声を出し尽くすと、自分の中身が空っぽになるような大掃除状態で、これって凄い健康法なのかと最近思い始めています。若い頃から毛嫌いしてきたカラオケに今や生活の一部的に嵌ってる自分を、今でも時々不思議に思いますが、カラオケを始める時に思い描いた、どこまで声域を広げられるか、今現在最前線の難しい歌をどこまで歌えるか、その二つを目標化しての実験がすっかり日常化してしまっています。
カラオケ店に行くのは週一回ですが、畑仕事を終えて家に帰ると毎日一時間前後は、YouTubeでボイストレーニングと新曲覚えです。ちなみに今取り組み始めているのはkingGnu「三文小説」と夜遊び「怪物」ですが、両方とも前作「白日」「夜に駆ける」よりも良いと感じています。「三文小説」は特に高温が綺麗で声の純度が高くなっているし、「怪物」は更に難しくなっているのだけどノリが良くて気持ちがいいです。難しい歌に挑戦することを課しているのだけれど、私はラップ調はどうにも苦手で、そこら辺りが難産で少し時間がかかりそうです。あと、どこまでやるかですが、カラオケ採点で音程正確率が80%以上に到達すれば一応歌えるってことでいいかなと思っています。
65歳で始めたカラオケですが今71歳で7年目に入っています。声域はまだ広がっているようで音大出のユーチューバーmainaちゃんのソプラノ域にも地声でついていけます。難しい曲を選んで挑戦し続けていますが、スーパフライの「新世界へ」を乗り越えてから、苦手はやはりありますが越えられない壁とまではいかないようです。壁が高いほど本気になる妙な性癖に私は多分生涯ひきずりまわされるのだろうと、自分でも苦笑いしてしまいます。
YouTubeを見るようになって2年ほどになるかと思いますが、次第に曲探し以外にストリートピアノとか他の事々を見るようになって、ハラミちゃんなど一年以上前から見ていますが、昨年後半大ブレイクの様をつぶさに見て驚いています。ストリートピアノ、ギター、ドラム等楽器演奏だったり、ストリートシンガーだったり、ダンスだったり、草の根的な音芸の広がりは、ともすれば殺伐となりがちな日常に癒しや潤いを与えます。これからの厳しい時代を考えると、人としての豊かな感性を保持するためには、癒しや潤いを得られる音芸は更に必要度を増すように思えます。
ハラミちゃんが大ブレイクしたことで、誰にでも自由に弾けるよう全国でピアノを設置するところが増えているようですが、ふと思うのは、全国の町どこにでも音芸スポットができて楽器の調べや歌声がもっと身近なものになれば、人々の感性が豊かになるのではないかということです。