先週予約注文していたミカンの苗木が送られて来て、今年も80本植え付けが終わりました。これで5年間で極早生、早生、普通の3種の温州ミカン計340本植え付けたことになり、当初予定していた300本の苗木植え付けは越えたことになります。施設栽培のブドウは5年後までに2か所25aまで縮小しますが、15aほど生じる跡空き地に100本ほどミカン苗木の植え付けは可能ですが、5年後となるだけに微妙でどうするかその時にならないと分かりません。
普通温州ミカン金峰を2月中旬から3月上旬にかけて市場出荷をして今年のミカンも終わりましたが、品質的に言えば父が作っていた時も含めこれまで最高のレベルに達したと実感しています。光センサーを通る訳でもないので糖度表示はできませんが、時々糖度計で不味そうなのを選んで計ってみても13度未満は殆どなく、平均でも14度以上はありそうだと思っています。計測した最高糖度は17度で普通温州でそんな高糖度は初めてのことですが、目指す品質方向が提示されているような気もしました。
金峰ミカンが自分でも感心するくらい美味しくて、小原紅ミカンがいまいち気に入らないのですが、それでも平均糖度は12度はありそうで、早生ミカンとしては上のレベルにはあるはずなのに出荷を渋ったりして、市場関係者や業者さんから切り倒したら駄目ですよと釘を刺されています。3月に入って小原紅の園地の草を刈っていると、摘み残しのミカンが目について別々の木から3個ほど摘んで、後で糖度を計ると3個とも16度もあってびっくりです。越冬させるとか作り方を変えると霜焼けとか見た目は多少落ちても、味的には凄い濃厚なものに仕上がる可能性もありそうだと思い始めています。
今日気象庁が気温の平年値を変更しましたが、高松で真夏日が4日増え、真冬日が8日減ったそうです。平年値とは過去30年間の平均値で10年毎に更新するそうですが、この10年間だけのデーターで見たら以前の平年値と比べてどれほど温暖化が進んでいるのか、多分怖くなるような話だと思います。
私がブドウの規模を縮小して10年後にはミカンを主役にしようとしている、その理由の一つには温暖化と言うことがあります。ブドウは落葉して休眠には7度以下の低温500時間以上が必要とされていますが、温暖化に伴い暖冬化して500時間以上がとれなくなると生理障害が起きます。5,6年前かどうか忘れましたが、1月上旬で7度以下が100時間しか取れなかった年があって、その後の冷え込みで無事通過できましたが、あとひと月遅れればどうなっていたか、そんな際どい年もあったことを思うと、何時だって起こり得ると考えても不思議ではありません。日々お天気ばかり気にしている農業は、その感性は温暖化気候変動の最前線にあるのだと思っています。