今年は9月20日で瀬戸ジャイアンツの販売も終わり、本年度作の販売は完了しました。こんなに早く販売終了となったのは初めてですが、7月下旬の大雨長雨で出来損なったり、傷み腐りが広がって、瀬戸ジャイアンツが半減したためです。で、半減したことを嘆くのかと言えば、周りの他の生産者と比べて、半分でも20度近い特上の味で出せたことを幸いとすべきと思えるほどで、全国的に見ても多分夏の果物は量的にも質的にもひどいものだったろうことは、容易に想像できます。
我が園でも「天山」は全房裂けてしまい一房も助かりませんでした。水加減が非常に難しい裂果種で、あれほど雨が降り続けばそうなるだろうことは分かっていましたが、裂けっぷりは完璧の一言です。「天山」は道楽で作っているので出来なくてもそう困りませんが、それよりも今年は一番手二番手のピオーネ、クイーンニーナがほぼ無傷でだせたことが大きかったと思っています。7月下旬降り続く雨の中でピオーネの糖度が17度に達しているのには、何でこの天気でここまで糖度が乗るのか、自分事ながら今更ながら驚いたり感心したりです。クイーンニーナは梅雨が明けて晴れが続くと着色糖度とも急ピッチの仕上がりで、本格販売2年目の今年、食されたお客さんのほとんどを感動させたようで、ピオーネ、瀬戸ジャイアンツと並ぶか或いはそれ以上の我が園の大黒柱的品種となったようです。
8月7日に今年初めて市場へ出荷したのですが、どこにもブドウが置かれてないので聞いてみると、今日はブドウの出荷が無いとのこと。盆前に入るこの時期にブドウが出荷されないなど、私の30年以上の経験からしても初めてのことで、唖然としてしまいました。それほどに7月中下旬の大雨長雨に傷められたのかと自分以外の生産者産地に目を向けると、全国的に南から北へと中央線に沿うように大雨に見舞われていて、出荷量が例年の半分以下であるだろうことは容易に想像できました。私は瀬戸ジャイアンツが半減した程度だから軽症だったようです。
9月になって気象庁が8月の気温の統計を発表しましたが、私の住む高松市で、8月の日々最高気温の平均は35度5分と初めて35度を越え、一日の平均気温も30度5分と最高記録を更新したとのことです。懸念していた40度越えはなかったのですが、ここまでくると何時だってあり得ることになったのは間違いなさそうです。
毎年激しくなるカリフォルニア山林火災、南米或いはオーストラリア等の森林火災の映像を見ていると、温暖化どころか地球は灼熱化して焦土と化すような地獄絵図が描かれて深い溜息が出ます。