コロナウイルスが世界中に拡散して、人の往き来も物流もさながら鎖国状態のように各国門戸を閉ざしています。そんな報道映像を見ながらふと思うのは、これまでの過剰なグローバリズム市場経済を終わらせる良い機会にならないかということです。市場経済は世界を覆い尽くして既に飽和状態になっているし、米国でトランプ氏が自国第一主義を掲げて大統領になった時から、世界の各国も次第に内向き傾向を示すようになり始めて来ましたが、今回のコロナウイルス騒動が更にそれを加速させるのか注視しています。グローバル化が国境を取り払えならコロナウイルスは go home 全く真逆で、先進国で右翼が台頭し出してから始まる先祖返り的自国主義の流れと重なるように見えたりします。
私は過剰なグローバリズム経済には辟易で、世界の各国自国で間に合うことは自給して、無い物不足する物を輸入して、余る物とか特産品を輸出する、ゆるやかな交易に戻したらどうなのだと思ってしまいます。科学や時代がバックできないことは承知していますが、今の時代の延長線上に破滅しか見えないなら、方向転換するしか生きる道はないのだと思います。だから世界が内向き傾向にあるということは、自分を見つめ直すことに繋がるなら、次への移行段階として在り得べき姿とも捉えられます。
ではトランプ大統領の言う自国第一主義が正論かと言うと、自分が一番大切、自国が一番大切という意味ではあまりに当たり前で、わざわざ言うほどのことなのかとなりますが、これが自分さえ良ければ全て良いとなると破壊的暴徒となります。人は幸せになりたいとか豊かになりたいとかの個人的欲求を抱えて社会の中に生きているのだけれど、自分だけが良ければいいでは決して幸せにも豊かにもなれず、社会全体が良くならないと自分も良くならないことにいずれ気付きます。国と国との関係も同じで、自国が良ければ全て良いでは戦争ばかりで、決して幸せにも豊かにもなれません。世界の国々全体が良くならないと自国が良くならないのは多分同じはずです。
経済におけるグローバリズムは独占欲支配欲による経済戦争で、国別個人別でも極論すれば唯一の勝者とそれ以外の圧倒的多数の敗者しか生まない、より資本力の高い者だけが勝ち残る資本主義の構造そのものです。国別個人別でとんでもない格差社会、というより極々一部の超富裕層による富の独占社会では、国としても個人としても誰も幸せにも豊かにもならない、グローバリズムは体のいい口実でしかないようです。
けれど例えば地球環境問題とか気候変動問題とかコロナウイルスのような世界規模の感染症とか、世界が結束して協力協調して対処しなければならない、本当の意味でのグローバリズムは必要です。こちらの側で考えると、全体が良くならないと自分が良くならない、との意味が良く分かると思います。
経済至上主義も資本主義も市場経済も、おそらくもう限界点に達していると思ってます。人類に未来はあるのかと問われると答えることができないほどに、温暖化気候変動とか地球環境の悪化の脅威は年毎に切迫して来るのを覚えます。経済至上主義がどれほど破壊を尽くして地球を傷付け、人類自身をも損なってきたのか、そのツケをこれから払わされることになります。自ら生き方を変えなくても、いずれ変えざるを得ないほどに環境が変わることになりそうですが、生き残れるのなら地球の再生回復に努め、共存共生の理念が骨肉化するような人類に生まれ変わってほしいと、思ったり願ったりします。