先週11日から4日間雨が降り続いて、100ミリには届きませんが計45ミリほどの雨で、貯水池や貯水槽はほぼ満水となって、夏場を乗り切る水が確保できてやれやれやっとほっとです。今週18日19日の2日間で計80ミリほどのダメ押しの雨、もう十分だよと水が確保できた途端に迷惑顔に変わります。
3日前ピオーネ、ゴルビー、クイーンニーナの糖度を測ってみたのですが、熟成の早い樹では18度は乗っているようで、来週からの出荷はOKです。後は梅雨が明けて日照が戻ると、一週間ほどで熟成は過激に進むはずです。今年も何とか出荷に辿り着いたかという思いは、農業の現場は近年それほどままならぬお天気に追い詰められてきていることの裏返しです。
今年は春先から雨が少なく水不足干ばつへの不安を書き綴ってきましたが、近年11月12月が次第に暖かくなってきているのも不安材料の一つです。落葉樹は落葉して休眠に入ると、7度以下の低温に500時間以上置かれないと休眠から目覚めないそうで、種によって多少の違いはあっても概ね同じなのだろうと思っています。7度以下500時間というのは暖冬になると、一体何時になったらクリアできるのか厄介です。
私は3か所計40aのハウスでブドウを作っていますが、被覆の時期を各2週間以上ずらしたり1番手を加温したりして、3か所の生育状況を2週間ずつずらそうとしますが、500時間クリアが遅れて今年も昨年も萌芽発芽が3か所ほぼ一斉となって叶いませんでした。ことに1番手2番手は全く同時で、その後の寒暖の差の激しさで、加温無加温の違いで生育状況に1週間程度のずれを確保できた次第です。
7度以下500時間以上をクリアするのがこれ以上遅くなると、萌芽発芽が露地栽培と同じになったり、更には被覆の施設栽培の方が遅くなったりすることもありそうな、暖冬も落葉樹には瀬戸際にかなり近づきつつあるようです。
もはや異常気象とは言えないのだと思います。気象庁が言う足して20で割るような平年はもともと存在しないし、その近辺で収まるお天気を常態とするなら、常態を脱してから既に10年は優に越えてます。過去の経験データーが役に立たないほどに、気候変動は史上初を連発するような未知な気象領域に入りつつあり、自然の中での営みである農林漁業者は自分の肌でそれを感じ取っているはずです。残念なのは地球の自然環境が壊れてゆくことに伴う気候変動であるため、可能性が閉ざされてゆくような未来予想しか描かれないことです。